[RADICA]19990902-02:30

■ Mail Magazine[ R a d i c a ]ラディーカ   1999年 9月 2日(木) 02:30 第461号
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□ [NEWSFLASH] 早読みネット情報
□ [SERIAL]    中国安徽省合肥より  ともざき なお
                  「Can you speak English?」


[NEWSFLASH]==========================================□□■
■ 早読みネット情報
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[RADICA]　木星探査機「ガリレオ」が撮影した、木星の衛星「イオ」
の最新画像をNASAが公開。７月３日に撮影されたもの。
http://galileo.ivv.nasa.gov/
http://www.yomiuri.co.jp/newsj2/ic01ic21.htm

[RADICA]　槙原敬之CD回収措置に、私設ファンクラブが販売再開の
署名運動を展開。
http://www.midessa.ne.jp/SweetSmile/

[RADICA]　「電車でGo!」に飽きたあなたに、本物の電気機関車を
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[RADICA]　2000年と2001年、結婚するならどちらがいいか、という
アンケートの結果。調査対象は未婚の男女1424人で、44％が2000年、
56％が2001年がいいと答えた。
http://ntt.asahi.com/0901/news/national01039.html

[ RADICA Staffs radica@ninjin.net ]

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[SERIAL]=============================================□□■
■ 中国安徽省合肥より
                                              ともざき なお
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● 「Can you speak English?」

　ハンガリー人の、もう名前は忘れてしまったが、留学仲間の一人
は、こう中国人に言われて、即座に「No！」と言ったきり相手を睨
み付けた「私はハンガリー人。英語なんてできないわよ！」と中国
語で言うと、その場から去った。ノルウェイ人のオーサもよくそう
言われて怒っていたっけ。

　なぜ彼女たちが怒るか、それは、中国人が英語学習熱のあまり、
金髪青い目の欧米人を見つけると誰彼なく話かけて、英語の練習台
にしようとするのを知っているからだ。そこで仲良くなってコネで
も作れば出国の際に利用できる。英語学習熱の裏側にあるのは出国
熱なのだ。

　中国人は良く英語を勉強する。小学５年から教育課程に組み込ま
れているからかもしれないが、それが自分の境遇を変えるものであ
ることをみな知っているからだ。外国に出る−いかなる手を使おう
とも、ここにいるより明るい未来があると信じているからだ。

　私の職場のある大学は、アメリカではかなり有名な大学らしい。
優秀だ、ということもあるらしいが、それよりも、卒業生がアメリ
カにたくさん渡っているということの方で有名らしい。ＯＢたちが
多いということでネームバリューがあり、他の学校よりは渡米しや
すいのだろう。そのためにこの学校に入ってくる学生もいる。

　新学期のキャンパスには、親の運転する車で自分の生活道具を運
んでくる親子もあれば、竹を割った天秤棒の前後に麻袋をぶら下げ
てくる親子がいたりする。安徽省内か、はたまたどこの省から来た
のか知らないが、どこかの農村から来たのだろう。農村の貧しい生
活から抜け出すための手段として彼らはよく勉強する。優秀な子は
大都市の名門大学に入る。名門大学に子供のいるおうちはさぞかし
村で鼻が高いだろう。

　彼らは、この大学に入ったら、さらに一生懸命に英語を勉強する。
朝のキャンパスで、夜の図書館で、みな猛烈に英語を勉強している。
中国語なまりが入っていようともお構いなし。ここから出国するた
めに、誰にも文句を言わせない方法だからだ。自分の力を試す？　
新しい技術を身につける？　そんなのは表向きだけの理由だ。

　あるとき、大学の掲示板にこんな知らせが貼ってあった。「某某、
○年度入学、××系、上記のものは、出国手続きが上手く行かない
ことに腹を立て、ネット上で他人を誹謗中傷し、損害を負わせたも
ので、退学に処する」てなところらしい。彼もアメリカでの新生活
を夢見て、いちおうはごりごり英語の勉強などしたに違いない。今
ごろどうしているのやら。

　退学になった某君にしても、朝の大学の構内で英語のテキストを
音読する若者にしても、こういう姿には、日本には無くなってしま
ったハングリー精神を感じてしまう。与えられるものがないから、
自ら奪い取る。その根性は見上げたものだ。正攻法で行くか、走后
門（裏から手を回す）で行くかは別としても。

　同僚のティムは、おじいちゃんが有名な科学者で、親御さんもそ
ういったアカデミックな仕事をしているだけあって、なかなか優秀
な男だが、それゆえ、こちらがいろいろなことを教育して会社のリ
ーダーとなってもらおうとしても、「僕はアメリカに行きたい」と
いって、今抱えているプロジェクトのリーダーを慌てさせている。
自分の希望のためには、会社の仕事などどうでもいいのだ。

「アメリカに行って、ＭＢＡとるのはやっぱり目標なんでしょうか
ねえ」。こちらの出国熱の話を聞いたＮＹ在住のお客が言う。一緒
にいた彼の同僚の中国人がこう答えた。「今はそれを目指す人もい
ますが、経済とか文科系の人は少なかったんですよ。昔は、文科系
より技術系の人の方が出国したんです。技術があればどこでも食べ
て行けますからね」

　国を豊かにするために必要な科学技術。先進の技術を学ばせるた
めに国費で留学させても、彼らは戻ってこない。「新華僑」と呼ば
れる彼らは、その地でビジネスを起こし、一旗あげるまで帰らない。
それは表向き。一度手に入れた自由を誰が手放すものか。限りない
自由と引き換えに、失うものはあろうとも、志あるものは英語を武
器に外を目指す。

「それにアメリカは移民国家ですからね。日本のような差別がない
んですよ」と一緒にいたもう一人の中国人が言う。閉鎖的な差別の
ない自由の天地、アメリカ。みずからの腕一本から始まるアメリカ
ンドリーム。成功した人だけが住む天国が、誰の上にもあるわけで
はないことを、多くの中国人は知らないまま出国を夢見ているのだ。
自分だけのノアの箱船があると信じて。

　ようやく市場経済がスタートした大陸。いずれMBAをとった人た
ちが大陸に帰って、経営コンサルティングをする時代も来るのだろ
う。それが近い未来なのか宇宙の果てぐらい遠い未来なのかはわか
らないけれど−。

[ ともざき なお tomo@ninjin.net ]

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  ★:*:-''☆:*:-''★ 今日のラッキー星座 by アネッセ ★''-:*:☆''-:*:★
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    【Sep 02,1999】   | 気合い充分！沢山の人が集まる場所に出かけよう！
  ★★★★★ | 牡牛座 | 飲んで騒いで、日頃のストレスを発散するとツキ！
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