■ Mail Magazine Radica 1999年 1月 2日(土) 第244号 □□■
■ Contents
□ 新しい朝
□ 99年Mac界を予測する
□ ってなんやねん!?
□ CP指数でレストランを評価する『ぐるまんぬ』
□ おじさんの日常
□ めたまんの編集メモ
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■ 新しい朝 宮入 恭平
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それは決して、偶然なんかじゃない。君が言ったとおり、僕は傘を持つ必要が
なくなった。君がたとえ気象予報士だったとしても、そこまで断言できなかった
だろうし、だったとしたら、そこまで的中しなかっただろう。傘を持たなくなっ
たおかげで、僕の荷物はひとつ少なくすんだ。そして僕は毎朝のジョギングを、
休むことなく続けるはめになってしまった。
誰のせいでもない雨が、毎日のように降り続いていた。そしてそれは、日常か
らはみ出していた。僕はいつも、虹を探していた。やまない雨はない、明けない
夜がないように。僕は限られた時間の中の、はみ出した日常の中にいた。そして、
覚めない夢はない。
速く走ることが目的ではない。遠く走ることが目的ではない。走ることそれ自
体が目的だから。夜明け前の薄明の中を、ゆっくりと走り始める。吐く息は白く、
その間隔は距離を進むごとに短くなる。やがてその白は、白々と明けゆく街に同
化する。
毎朝走り慣れた道。目をつぶっていても走れるくらいの道を、僕は走っている。
決して早くもなく、遠くもなく、ただ走っている。住宅街を抜け、踏切を渡る。
商店街を過ぎ、幹線道路に出る。階段を昇り、公園へ入る。川沿いを進み、再び
住宅街に辿り着く。そしてゴールは存在しない。
リズムが鳴り響く、僕自身のリズムが。そしてそのリズムは、毎日が異なる。
時には8ビートで、時にはワルツで、そして時には16ビートで。僕はそのリズム
を感じながら走る。走ることはもはや、僕の毎日になっている。そしてその目的
は、走ることそれ自体にある。
薄明の街を、僕は走る。"ボクハ、ドコヘ、ユクノダロウ?" やがて新しい朝
が訪れる。そして太陽は、僕に微笑むだろう。
□□ [宮入 恭平 kyohei@ea.mbn.or.jp]
□□ [KYOHEI MIYAIRI WEB PAGE http://plaza26.mbn.or.jp/~kyohei/]
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■ おじさんの日常 深津 勝
「おじさんの元旦」
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おふろのお湯を入れ替える。早朝4時半、毎年そうなのだがNHKの歌番組は
最後までみたことがない。除夜の鐘も夢の中で聞く。であるからしてやはり一月
一日も、いつもと同じ時間に目が醒める。しかし、ここからは違うのですなにせ
今日は元旦である、便所の扉の閉まる音もふだんとちがう。ガンターンと閉まる
・・・・
ま、今日はめでたいお正月なのであるからして、そんなに目くじら立ててはい
けませんよ。「笑う過度には腹痛む」少し違った「笑うかどには福きたる」おお
いに今年も愉快にやりましょう。えーと、そうだ、お湯の話だ。贅沢は敵であり
ます。けれど元旦の朝は敵も味方もありません。なにせ、めでたいわけですから
そっくり新しい湯にかえます。おまけに湯殿から、お湯なんか、ザザザーーっと、
あふれさせてしまいます。
湯上りには、大事にとっておいた、もらい物の高級煎茶を、これまた贅沢に使
います。ドサッと音がするほどつっこみます。きゅうすからお茶っ葉のやろうが
イヤイヤしても、「うるさいっ」と一喝し、おもむろに75度のお湯を優しく優し
くみんなに行き渡るようにかけます。1分ほど待ち、初春に思いを馳せながら感
謝いっぱいで飲み干します。
7時には家族を起こします。眠たいと、のたまう民には、今日はめでたいであ
りますよと優しく諭し、起こしてあげます。元旦から三日間、朝は雑煮です。お
もちは3分ほどのこげめをつけ、香りをだします。出汁は鶏がら、青物の一品を
添え、糸ゆずの皮をのせ、いただきます。
あ、大事なことを忘れていました。食事の前にひとこと。
「えーやはり、一年の計は元旦にある。みなもよーく考えて目標をたて、りっ
ぱにこの一年をすごすように。とーさんは去年、初春の計をみごと9割がたやり
とげたぞ、おまえたちもこころを強く持ち、なにごとにもめげず、目標にむかい
前進しなければいけませんね。うん、そこだ、その一割の失敗はだな、このアジ
アの金融危機が、その前年の秋より始まったことが、その端緒でな、その・・・
・おーーーい、みんなどこへいくんだーー・・・・」
「健太君、ちょっとこっちへ来なさい。君ももう8ヶ月、立派に成犬になりま
したね。きょうは元旦といってな、とにかくめでたいのだよ。そこで君には特別、
なんとトリのささみをあげましょう。さ、どれだけほしいのかいってごらん。い
くつかな、ほれ、えんりょは無しだ、うん?」
「わん・・・」
□□ [深津 勝 bi-n-go@remus.dti.ne.jp]
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■ 99年Mac界を予測する K仲川
BASICが復活する?!
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1999年は人類が滅亡するなどと、どこかのアホがほざいているらしいが、そう
いうのをヘコます妙案を我が輩は思い付いたのであった。
つまり、そいつと人類が滅びるかどうか賭けをするのである。その際、全財産
を賭けてもかまわない。この賭けはどうあがいても「滅びない」の勝ちである。
万が一、賭けに負けても、取り立てにくる連中も滅亡しているから大丈夫(笑)
1999年はアホが滅亡する年であって、ほしいのだが、浜のまさごはつきるとも世
にアホのつきることなし、なのでしょうな。
ところでネット界を大胆予測すると言うお題をもらったのであったが我が輩に
は予知能力もなければ、どっかから変ちくりんな電波を受信する能力もないし、
宇宙人や心霊のお友達もいないので、とんと検討がつかぬ。したがって少しなら
予測のつく分野に的を絞ることにして、99年Mac界(ってそんなもんあるのか?)
の動きを予測したい。
98年、iMacの登場によりMac復活などと大喜びするMacファンもいたが、あんな
もの、一歩間違えればヌカ喜びである。その理由は、たしかにMacのファンをちび
っと増やしたが、昔からMacにまつわる一大欠陥を全然解決してないのだ。
その一大欠陥とは「Macのプログラムってどう作るの?」という疑問である。
厳密に言えばアップルやいくつかのソフト会社から開発ソフトは出ている。し
かし一般人が使いこなすには、かなり問題がある。いっぽうWindowsはマイクロソ
フトを始め、いくつかのメーカーから様々なレベルの開発ソフトが出ており、書
店に行けば、うんざりするくらい解説書も出回っている。実際に一般人が、こう
いう本を買いプログラムが簡単にできるかは問題ではない。問題は職業プログラ
マがMacに対して、どう思うかだ。仮にMacのシェアが上がって、明日からMacのプ
ログラムを作りたいとしても現時点では難しい開発ソフトしかないし、資料もま
るで見当たらない。厳密に言えばインターネット上にたくさんあるのだが英語の
情報ばかりである。学生時代、お勉強ができなくて情報処理の専門学校に遊びに
行きましたクラスのプログラマだとお手上げである(爆)。
実際にソフト会社でもMacのプログラムを開発したいが方法がわからないという
悩みもあるようだ。こんな状況ではMac復活などと素直に喜べやしない。
ところでここ最近、MacプログラムでBASICという動向が出ている。我が輩が耳
にし、実際にいじってみたのが FutureBASIC と REALbasic である。いずれも
BASICというプログラム言語で、C言語やアセンブラなどという難解かつ下手すれ
ば人間関係も破壊しかねない危険なプログラム言語より敷居は低い。特に我が輩
が注目し、我が輩のMacプログラムもこれを中心にしようかと入れ込んでいるのが
REALbasicである。これはWindowsで有名なVisual BasicのMac版のようなものと言
えばわかっていただけるだろうか?と言っても開発したのはマイクロソフトでは
なくテキサスにある小さなソフト会社である。現在、REALbasicは急激にユーザー
の数を伸ばし、99年には日本語版が出るのではないかという噂もある。
REALbasic、この名を覚えておいてほしい。はたして、Mac復活がREALなのか
Virtualなのか、この開発ソフトにかかっているのかもしれないから。
○ FutureBASIC
http://www.stazsoftware.com/
○ REALbasic
http://www.realbasic.com/
□□ [K仲川 nkgwk@sikasenbey.or.jp]
□□ [公式 Web ページ http://www.vector.co.jp/authors/VA007446/]
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■ ってなんやねん!? μ
「暦」
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今回は、年の始めでもあるんで、「暦」に関係する話をしようと思いま!
ず−−と昔、人類に文明ちゅうもんが生まれて以来、特に農耕を始めるように
なって、「暦」は生活の基盤としてめっちゃ重要なもんになっているわけですわ
な。
農耕を始めた人類にとって、季節の周期性を知る事は死活問題であったんで、
必死になって、太陽や月の動きを観測してその周期性を調べたわけですわ。ほん
で、
「う−−ん、太陽の昇る位置は毎日ずれているみたいやな」
「よっしゃ、記録してよっと!」
「あれ?365日で同じくらいの位置に戻ってるで!!」
ってなことがあって、1年つまり地球が太陽の回りを1回転する周期が、約365日
やゆうんが分かったんやと思いま。
世界中の古代遺跡から、365という数字に関係するもんは見つかっているらしい
んで、どんな文明でも1年という周期は大事なもんやったと言うことらしいです
わ。また、月の満ち欠けの周期から、月の長さを決めたわけですわな。
ほんで、1年をどこから始めよとうと、月の長さをどうしようと自由なわけや
から、その文明で一番偉い奴が、
「これに決めた!」
とする事ができるんで、権力を誇示するもんでもあったらしい。そんで、あるとき
「365日を1年としてまうと、4分の1日位ずつずれてるんでは?」
「ほな4年に1度、1日多い年をおいて調整しよっと」
ってなことが分かって,「うるう年」が出来て,さらに,
「それでもまだ,ちょっとずれるみたいやな」
「4で割り切れる年のうち、100で割り切れて
400で割り切れない場合は平年とすれば、うまくいきそうやな」
なんてことに気が付いたらしいですわ。その暦をロ−マ教皇ゴレゴリウス13世が
1582年に決めたんを、現代でも採用しているちゅうことらしいですわ。
ほんで、コンピュータのなかには,
100で割り切れる年は皆平年や
と間違えたしまってもて、
2000年をうるう年やない
と設定してしまっているもんがあって、
「もうひとつの2000年問題」
と言われているということですわ。
ほな、本年もよろしゅうたのんまっさ。
□□ [μ mu@ninjin.net]
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■ CP指数でレストランを評価する『ぐるまんぬ』 Nymphe
遂に参加型のHP開設?
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パソコンが自宅にある人の割合は50%を越え、自宅のパソコンのネットワークへ
の接続率は70%に達した。つまり国民の35%はネット上のコンテンツ(情報)に触
れることができるようになった。この数値は単純に市民権を得ることを意味して
いる。
そして遂にレストランを評価する『ぐるまんぬ』が読者参加型のHPを開設!
これは一方的に情報を流すものではなく、全国津々浦々のレストランを、訪れ
た人が投票によってレストランを評価するというもの。
“なりすまし”による重複投票を規制するための措置も設置され、全国民の
35%の投票によって、これからは正当なレストランが正当な評価をくだされること
となった。
検索機能も充実し、地域、ジャンル、平均的なコストを入力するとたちまちそ
の条件に合ったお店を紹介。さらにお勧めのメニュー、お勧めのサービスマンな
ど詳細なデータも掲載。また、こだわり検索では、食べたいものを入力すると全
国のお店の上位から順に紹介してくれる。
日本のあるタイヤメーカーが資金提供をしていて、まさにミシュランのインタ
ーネット日本版。
これで行ってみたら『しまった〜』はなくなるだろう。
(数値から何から全て来年の予想であり、架空のHPです)
□□ [Nymphe nymphe@ninjin.net]
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■ めたまんの編集メモ
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1日付RADICAの「1999年のネット界を大胆予測する!!」の中に、
Windows2000で16bit環境が切り捨てられるという記述がありますが、
Windows2000でも従来通りサポートされます。従って、記事中の該当部分を削除し
ます。お詫びして訂正します。
コラム特集、いかがでしたでしょうか。簡単で結構ですので、ご感想をお寄せ
いただくとありがたいです。
年末に起こった青酸毒物自殺事件ですが、マスコミの論調は規制の方向ばかり
でした。毒物が勝手に流通してはいかん、という非常に単純な理屈ですね。
もしこのまま規制が始まってしまったらどうなるかという、簡単なシミュレー
ションというか、なんというか、とにかくこのページをご覧ください。
http://www.t3.rim.or.jp/~s-muraka/kantei/kantei20.html
27日、テレビ朝日のスーパーモーニングという番組で取材を受けました。もち
ろん、青酸自殺事件に関連してのことで、ネットワーク上にいる人たちが、どう
いう気持ちでコミュニティを形成しているのかというところを重点的に話しまし
た。
スーパーモーニングはご存じのとおり、主婦層に向けて作られているワイドシ
ョーで、「報道」というスタンスより下世話方面に振れている扱いをする番組で
す。でも、この件に関しては、掲示板などで非常に高い評価がされていたようで
す。あの時期に、「規制は絶対にまずい」としていたマスコミは、テレビ朝日だ
けだったからです。
RADICAの読者の皆さんはもう十分おわかりだと思いますが、インターネットは
ただの「通信手段」ですから、その中でどんな話が行われようとも、手段に対し
て規制をかけることはものすごくナンセンスなわけです。今までも、電話や郵便
で、数限りない犯罪の打ち合わせが行われてきたことだと思いますが、でも電話
や郵便に規制をかける(つまりは検閲ですね)ということは、日本では立法化さ
れなかったわけです。
ということで、この件で「インターネットに規制をかけるべきだ」としたマス
コミは、とんでもない不見識だということが云えます。
それからもう一つ頭に来ている話を。テレビでWebを取り上げるときに、わざわ
ざモザイクをかけて放送していましたが、あれは非常に失礼なことではないでし
ょうか。Webをインターネット上で公開しているということは、多くの人に読んで
もらいたいからということなんですから、それを判別不可能にしてしまうのはど
ういうことなんでしょうか。
日本で、モザイクを使って隠さなければならない部分というのは、主に「陰部」
のことです。ホームページを陰部扱いしているのかと思うと、腹が立ちますね。
報道する以上、その実態をきちんと伝えるべきです。可能なら、URLまできちん
と見せるべきです。普通に公開されているならば、誰でも直接見に行くことが出
来るのがインターネットですから、それをないがしろにするようなやりかたは良
くないでしょう。
一方で、取材される側のスタンスも気になります。インターネットで公開して
いるWebページが正確な評価で報道されたのなら、無断であろうがなんであろうが、
その報道に対して文句を言ったりするのは筋違いではないかと思います。マスコ
ミが多くの人に存在を知らしめてくれたのならば、むしろ感謝するべきなのです。
もちろん、その報道が不当な評価に基づく、誹謗中傷のようなものだったら抗
議したらいいと思いますが、そうでないなら黙っているか、言いたいことをその
Webに掲載すればいいでしょう。インターネットにページを公開しながら、報道さ
れるのはいや、というのは矛盾した考えですね。
□□ [めたるまん metalman@ninjin.net]
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編集発行人:山崎一幸 発行:にんじんじむしょ
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