■ Mail Magazine Radica 1999年 2月10日(水) 第272号 □□■
■ Contents
□ RADICA EXPRESS 「最新インターネット情報」
音楽業界、MP3に追われてネット対応の新ビジネスモデルを模索中
NTTドコモがオンラインサービスに本格参入、「iモード」開始秒読み
□ Radica特別企画『ニセ首相に聞く』
□ 正太猫の人生相談
□ めたまんの編集メモ
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をお待ちしております。どうぞ radica@ninjin.net宛お気軽にお寄せください。
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■ RADICA EXPRESS 「最新インターネット情報」
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● 音楽業界、MP3に追われてネット対応の新ビジネスモデルを模索中
ワーナー、BMG、EMI、ユニバーサル、ソニーという、世界的なレコード会社5
社が、米IBM社が開発した、インターネット上で音楽ソフトを販売するシステムを
利用し、春から6ヶ月間にわたって試験を実施する。
CDと変わらない高品質な音楽データを、家庭に販売するこのシステムだが、違
法コピー対策にも力が入れられている。
ネットではすでに「MP3」という圧縮技術で、 CDクォリティの音楽が流通して
いが、MP3には著作者側がコピー制限をする手段が含まれていない。これで楽曲を
販売することは、権利者にとっては恐怖だろう。また、音楽CDから簡単にMP3のデ
ータに変換することが出来るため、違法コピーのデータがいくらでもネットから
入手できるという現状だ。
今回発表されたシステムは、このMP3対策という意味合いが多分に込められてい
る。
発表会見の席上、興味深い発言が聞かれた。JIJI NEWS Watshによると、BMG上
級副社長ケビン・コンロイ氏は、「著作権を完璧に保護することは難しいが、そ
れよりもインターネットを利用して利益を上げることの方が重要だ」と述べてい
る。
つまり、IBMのシステムが権利保護の観点からは完璧ではないと最初から諦めて
いるようなのだ。ある程度の権利侵害があったとしても、ネット上での音楽流通
を確立して、ビジネスとして成功することを優先しているということだ。正しい
認識だろう。
ネットは「コピー」が基本であるということを忘れてはならない。ネットのど
こかでデータ化されたものが置かれれば、それが何であろうが、ネットの隅々ま
で行き渡るまでコピーされ続ける。
ならば、コピーされることを完全に防止することを考えるより、程々の安全性
で、代金回収の手段を確保して、利益を上げていく方が現実的だ。
10年ほど前、パソコンソフトの世界では、「コピープロテクト」という技術が
流行した。ソフトウェアを簡単にはコピーさせないようにする技術だ。
しかし、パソコンソフトでコピープロテクトを採用しているものは、今では非
常に少なくなった。ユーザーに「コピーしたい」という欲求は強く、プロテクト
はどんどん解除されていく。ならば、コピーされないような技術で工夫するより、
コピーソフトを使うことがバカバカしくなるくらいの価格で販売するという流れ
に切り替わったためだ。ユーザーサポートやマニュアル、バグなどの情報提供な
どを考えると、違法コピーで利用し続けるのは割が合わない、とユーザーが思え
るような価格設定をしているわけだ。
日本での著作権関係の議論をみていると、水一滴たりとも漏らさない、という
権利側の態度が目に付く。「デジタルデータは必ずコピーされまくる」という前
提で考えなければ、これからの時代、権利ビジネスで生き残っていくことは無理
だろう。
○ 大手レコード会社とIBMが新デジタル配信システムの試験運用を発表
http://www.ibmlink.japan.ibm.co.jp/cgi-bin/PREScgiDep.pl?docid=PRES1220&caps=N&perc=90&keywords=
□□ [紅屋鉄之助 tetsu@ninjin.net]
● NTTドコモがオンラインサービスに本格参入、「iモード」開始秒読み
NTTドコモは、携帯電話機だけでオンラインサービスを利用できる「iモード」
を、郵政大臣に認可申請中だ。認可を受けた後、今月22日にも全国一斉にサービ
ス開始したい考え。
iモードとはWebが見られる携帯電話とか、新しい文字情報サービスなどと報道
されているが、実力はそれ以上だ。
特長を一言で言うと、セキュリティ性の高い伝送路をモバイル環境で提供出来
ること。セキュリティとモバイル、両方ともインターネットが一番弱かった部分
だ。
iモードはモバイルバンキング、トラベルやコンサートのチケット予約など、
実際にお金の情報もやりとり出来るのが最大の売り。クレジットカードの請求額
照会や、生命保険会社が行う契約貸付、書籍の通販やネットワークゲームまで予
定されている。
iモードには、「WAP(Wireless Application Protocol)」という、最大のラ
イバルがいる。WAPは、携帯電話網を通じてインターネット接続や電子メールを送
受信するための無線データ伝送の通信規格。米Unwired Planet社、 Motorola社、
Nokia社などの大企業が、WAPを普及させるための組織、 WAPフォーラムを設立し
ている。日本では、DDIとIDOが1999年4月から提供すると発表している。
ドコモもWAPのサポートを発表している。iモードはWAPも視野に入れた、将来
は世界標準として普及を目指しているのは間違いなさそうだ。
iモードは、インターネットと共生して、独自の進化を遂げそうだ。オープン
な情報はインターネット、個人情報はiモード。棲み分けが可能な技術だ。
○NTT DoCoMo:iモード
http://www.nttdocomo.co.jp/mc-user/i/index.html
○NTT DoCoMo:無線通信データプロトコル「WAP」の採用−PDA(携帯情報端末)
の開発
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew32.html
□□ [Hosaka the G33kSt@r hosaka@sco.bekkoame.ne.jp]
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■ Radica特別企画『ニセ首相に聞く』
「国家の危機についてお聞きしたい」
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読者の方から次のような質問をいただきました。
回答させていただきます。
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Subject: 質問です!ニセ首相殿!!
>From:"K Kawashima"
始めてメールを送ります!!
お正月もすんで新しい世紀もまもなく始まろうとしています。長引く不況,混迷
する海外状況,相変わらずです。
さて,「本物」の内閣では,改造人事があるのではないかといわれています。し
かし,ここ最近では,日本の領海外ではにわかに緊迫した状況になっているといわ
れています。いわゆる「朝鮮半島」情勢で朝鮮民主主義人民共和国がどうやら怪
しい動きをするのではないかという状況だと言われてはいます。
この緊迫しているという状況についてどう思われますか?
また,もしこの状況が行われる,いわゆる戦争状態や正体不明のスパイ事件や去
年の9月のミサイル発射事件などがあった場合に,どのような対処をとるつもりな
のでしょうか。 現実には,どのような状況になるかは誰にも分かりません。しか
し現在の生活がひっくり返るような事になる事も考えられるのです。もちろん身
近では,コンピュタ−2000年問題もそうでしよう。
数々の問題が起こらない様にするのも一番大切な事です。まず初めに我々の生
活と財産と時間,そしてもっとも何も起こらない事はもっとも大切な事です。
国家の危機についてお聞きしたいと、思います。
よろしくお願いいたします!!
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「国家の危機」についての御質問に回答させていただきます。Kawashimaさんが、
「国家の危機」の例として、朝鮮半島の問題とコンピュータ2000年問題をあげて
いらっしゃるのは、大変鋭い御指摘だと思われます。この二つの事象は必ずしも
独立したものとは言えないからです。アメリカでは、航空機の事故や金融関係の
ネットワークトラブルなどを想定し、西暦2000年の初頭には海外旅行を控えるべ
きという情報が流れていますが、コンピュータ2000年問題とはその程度のもので
はありません。もっと大きな、世界史レベルの大きな影響を引き起こす可能性の
あるものなのです。
「歴史に学べ」とは、よく言われる言葉です。このコンピュータ2000年問題の
本質をつかむためにも過去を振り返るのが最も有効な手だてだと思われます。前
回のコンピュータ1000年問題がどのようなものであったかみてみましょう。
コンピュータという機械が1000年ごとに大きなトラブルに見舞われるというの
は今では広く知られた事実ですが、西暦1000年当時はこの1000年周期の問題はま
だよく知られておらず、事前に警戒もなにもしていないまま、トラブルに襲われ
たのでした。
西暦1000年当時のコンピュータと現在のものとの大きな違いは、その入力方法
です。その違いは「アイコン(Icon)」の違いに鮮やかに現れています。現在の多
くのパーソナルコンピュータはGUI(Graphical User Interface)を採用しています
が、このインタフェースでは、ソフトウェアの起動など、コンピュータに何かを
させようとする時には、「アイコンをマウスでダブルクリックする」という方法
が一般的です。アイコンの大きさは15mm X 15mmぐらいで、図柄によってそのアイ
コンが何を指し示しているのかを認識することができるようになっています。一
方、当時のコンピュータで使用されているアイコンは、現行のものより遥かに大
きく、 2m X 2mの油彩画や3mを越す彫像もみられました。図柄は、ヨーロッパで
は十字架に架けられた男、インドや中国、日本では座禅を組む男などが一般的で
した。インドではなんと35mを超える石に彫られたアイコンがあったというから驚
きです。現在では、上に述べたように「アイコンをマウスでダブルクリックする」
という方法が一般的な入力方法ですが、当時は「アイコンの前でひざまづいて祈
る」というのが一般的な入力方法でした。現在のコンピュータに比して単純な計
算能力ではかなり劣っていたようですが、形而上学的な問題については逆に現行
のものよりも優れていたようです。
この優秀な形而上学問題処理能力を当時のヨーロッパの人々は大変重宝し信頼
して用いていたのですが、西暦1000年頃から、このコンピュータが、恐るべき事
に人間の支配をもくろみはじめたのです。これこそが「コンピュータ1000年問題」
です。歴史上では「教皇権の拡大」としても知られているこの陰謀は1077年の
「カノッサの屈辱」で成就してしまいました。以後、15世紀にフィレンツェでル
ネサンス文化が芽生えるまで400年間にもわたっていわゆる中世の暗黒時代が続く
事になったのです。
現在のところ、コンピュータ2000年問題については、「局所的なコンピュータ
システムのダウン」程度の瑣末な危険が取りざたされているだけですが、コンピ
ュータ1000年問題を参考に「コンピュータの人間に対する叛乱」という最悪の事
態をも想定しておくことが肝要だと思います。各国の軍事施設が高度にコンピュ
ータ化された現在、もし西暦1000年の危機のようにコンピュータが人間を支配し
ようとすれば、人間の意思によらずに勝手に大陸間弾道弾を発射し世界戦争を偶
発させる可能性も無いとはいえません。この意味で、冒頭で申し上げたように、
北朝鮮のミサイルもコンピュータ2000年問題と切り離すことはできない訳です。
常にもっと文明史的な広い視野をもち、危機に対する想像力を高めることが国家
の危機に対する際に必要である、と申し上げて回答の代わりとさせていただきま
す。
□□ [ニセ首相 s-muraka@t3.rim.or.jp]
□□ [ニセ首相官邸ホームページ http://www.t3.rim.or.jp/~s-muraka/kantei/pkantei.html]
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> ○○ Radica新連載企画「ニセ首相に聞く」への質問を募集致します ○○ <
『ニセ首相官邸ホームページ』公開中のニセ首相が
当Radica誌面上にて読者からの質問に答えます。
国民の皆様の日々の疑問を解決するため、
不肖ワタクシ炎の牛となって誠心誠意お答えします
(ニセ首相談)
●質問はお気軽にEメールにて s-muraka@t3.rim.or.jp まで
「Radicaニセ首相質問係宛て」と明記した上でお寄せ下さい。匿名も可。
http://www.t3.rim.or.jp/~s-muraka/kantei/pkantei.html
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■ 正太猫の人生相談
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相談:
31才のアルバイト女性です。
2年前に現在の職場に転職してから、先輩の陰湿ないびりに悩んでいます。
私のボーナスのお金をその人が勝手に触って減らしたので(詳しいことを書く
と長くなるので省略しますが、事実です)、上司にあたる人が埋め合わせとして
軽い食事に連れて行ってくれました。その事実を知った彼女が、私がその上司と
深い関係にあるように吹聴しているようなのです(まわりの私を見る目を見れば
分かります。決して気のせいではありません)。
これは、私だけでなく、上司にも迷惑がかかるので、とても困っています。噂
が誤解であることを、周りに分かってもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
回答:
ねこでし
い、いびりていうとつ、つまりい、いぢめみたいなものでしよね。ね、ねこた
んもお、おふとかいくと、い、いろんなひとに、「みゃあ」とかいえとか、「ね
こでし」とかいってみろとかい、いびられたりしましね。
そ、それはともかくとして、ぼ、ぼーなすを減らされるていうのはまづいでし
よね、し、しすてむてきに、そういうのはほ、ほんとはありえないていうか、査
定をのぞけば、経理以外の人間には、ボーナスなんかいぢる余地はないんでしけ
ども、まったくできないかていうと、経理というものを知っている人間であれば
まったくふかのうではないのかなていうきがしないでもないでし。
う、うめあわせで食事にていうことは、上司はそれをしっているわけでしよね。
そうすると、それにたいしてなにもしない上司にも問題があるわけでしけども、
まわりが自分を見る目とか態度とかて、むづかしいんでしよね。じっさい、そう
いう事実であるはずのことが、じつは思い誤りであるということは往々にしてお
きうるし、たとえそれが、まったくの事実であったとしても、やはり修復するた
めの手段をかんがえていく過程において、看過しても問題のないものとそうでな
いものとにわかれていくわけでしから、誤解をとくために非常に一般によく使わ
れる手段は、真実の提示でしが、これは一見ほんとうにいいようにおもえましが、
誤解にたいして真実をまともにつきつけられたとき、人間の心理はふたつにわか
れるのではないかとおもうんでしね。
つまり、真実をありのままだと考えて自分の態度をあらためるタイプと、真実
そのものに疑念をいだいて、よりふかい誤解へのきっかけとしてしまうタイプが
あるとおもうんでし。
ただ、誤解を解くということは、時間というものが大切で、性急に事をいそい
で失敗した事例はかずしれないものがありましから、たとえば1年、しっかりと
まってみて、それでもだめだというときには、それは誤解ではない別のなにかで
あるかもしれないでしよね。たとえば、純粋ないじめとしての誤解の捏造であっ
たりとか、そういうものでしね。
ただ、そのボーナス云々ていうのは、経理的にみて、ひとりの人間の首がとぶ
ではすまされないはなしにもなりかねないことでしからね、しかるべき手段をと
ってもわるくはないとおもいましよ。
まあ、それはやっぱりよくよく考えた上で、特に自分の立場であるとか会社の
システムであるとかいうものをよくふまえてすべきことではありましよね
というわけで
「ぼーなすを へらされあげくに ごかいされ」
これではふんだりけったりでしよね
えで、であ
● ネットワークに生息する、「正太猫」にあなたも相談してみませんか? ●
● どんな悩みでも結構です。 ●
● タロットを駆使して、猫が誠心誠意お答えします。 ●
● 質問内容をradica@ninjin.net宛までお送りください。 ●
● 秘密は厳守します。 ●
□□ [正太猫 sasneko@cap.bekkoame.ne.jp]
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★:*:-''☆:*:-''★ 今日のラッキー星座 by アネッセ ★''-:*:☆''-:*:★
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【Feb 11,1999】 | 順風満帆!何をやっても物事がスムーズに運びそう
★★★★★ | 獅子座 | アイデアや情報を仲間と共有すると更にラッキー!
(C)1997-1999 Lisa Kensington & annesse http://annesse.d-b.net/
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■ めたまんの編集メモ
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オウマー新人類さんの原稿が話題をまいています。ものすごい批判をいただき
ますが、逆に注目もされたようで、あのあと急激に読者数が増えたりもしていま
す。
□□ [めたるまん metalman@ninjin.net]
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編集発行人:山崎一幸 発行:にんじんじむしょ
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