別冊 Mail Magazine adica 1998年12月10日(木)
RADICA EXPRESS SELECTION
人権派弁護士が逮捕された裏は?

 7日、一人の弁護士が逮捕された。第二東京弁護士会、港合同法律事務所所属、安田好弘氏、51歳。
 事件の概要はこうだ。 旧住宅金融専門会社の大口融資先「スンーズコーポレーション東京リミテッド」が行ったとされる強制執行妨害は、安田弁護士が指示していた、というものだ。 この指南により、安田弁護士は数百万円の報酬を得たという。
 告発側は、最近「正義の味方」という定評のある、中坊公平氏率いる住宅金融債権管理機構(住管機構)。警察でこの事件を担当したのは、警視庁捜査二課。
 安田弁護士は、人権派の弁護士として有名な人物。死刑廃止フォーラムの中心人物として活躍中だ。 そしてすでに報道の通り、オウム真理教・麻原彰晃被告の主任弁護人をつとめている。
 すっかり善玉という印象がある住管機構が告発しているわけで、普通なら「絶対悪の弁護士」となるところだろう。 しかし、ネットに流れた情報は、それを否定するものばかりだ。URLを添付するので、是非ご自身の目で確かめていただきたい。
 この逮捕に当たっては、マスコミに事前に情報が流されていたらしい。普段、知能犯を相手にしていて、秘匿を是とする警視庁捜査二課扱いの事件としては異例のことのようだ。 このあたりにも、マスコミ操作のにおいがプンプンと漂う。
 そして9日、朝日新聞はこの件について社説を掲載した。それは、住管機構中坊氏の発言を中心に据えた、かなり一方的な視点のもので、 少なくとも取調中の「容疑者」に対して論評するたぐいのものではない。是非、手元にある古新聞を引っぱり出して読んでいただきたい。
 要点は、安田弁護士がいわゆる公安事件の弁護にとって、大変重要な人物だということだ。 反体制派にとっては、ほかにはいない人であり、逆に言えば体制側にとって大変な邪魔者であったわけだ。
 「数百万円の報酬」は、5年間にわたって支払われたもので、月に割れば数万円という金額だ。この程度の金額で「不正」と言っていいのだろうか。
 面白がってはいけないのだが、大本営発表をそのまま流す大マスコミと、それを真っ向から否定するネットの対比が、非常に面白い。
 あなたなら、どちらを信用しますか?

○ 抗議声明 港合同法律事務所
http://www.zorro-me..com/miyazaki4/yasuda/protest.html

○ [aml 10347] 安田弁護士逮捕に対する抗議声明
http://www.jca.ax.apc.org/aml/9812/10347.html

○ [aml 10378] 安田弁護士逮捕への抗議声明
http://www.jca.ax.apc.org/aml/9812/10378.html

○ 安田弁護士逮捕事件についての緊急声明 宮崎学
http://www.zorro-me.com/miyazaki4/yasuda/yasuda&nakabo.html

○ 安田弁護士逮捕事件についての緊急声明 宮崎学
http://www.zorro-me.com/miyazaki4/yasuda/yasuda&nakabo2.html

○ 司法ふぁっしょ化の時代
http://www.zorro-me.com/miyazaki4/yasuda/eraikotya.html

○ 朝日新聞社への公開質問状
http://www.siri.co.jp/usr/koyanagi/diary.html

○ aml mailing list index (9812)
http://www.jca.ax.apc.org/aml/9812/index.shtml

○ 朝日新聞社説(関連の記事はすでにない)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

□□ [紅屋鉄之助 tetsu@ninjin.net]


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