別冊 Mail Magazine Ｒａｄｉｃａ	1998年8月27日（木）
RADICA EXPRESS ＳＥＬＥＣＴＩＯＮ
ウィルス発症の「空騒ぎ」
２５日、読売新聞朝刊その他のメディアが、「Win95/CIH」というコンピューターウィルスが２６日発症し、パソコンが破壊されると伝えた。 Win95/CIHは、発症するとパソコンのROMを書き換え、パソコンを「故障」の状態にしてしまう悪質なコンピューターウィルスだ。 周辺機器メーカーとして有名なロジテック社が、自社のサイトでWin95/CIHに感染したソフトウェアを公開してしまったことから騒ぎが大きくなった。 Win95/CIHが発症すると、パソコンが二度と起動しなくなってしまうため、被害額も多くなってしまう傾向がある。 　２５日は、ウィルス告知の文章が、様々なメーリングリストに出回り、さながらチェーンメールの様相を呈していた。 告知分の中で取り上げられていた、トレンドマイクロ社のサイトはアクセス過多に陥り、一時期まったく接続不可能の状況になっていた。 　ところが今回の「騒動」、どうやら空騒ぎだったようなのだ。 事情通によると実際の感染事例はことのほか少なく、ほとんどはロジテックからの感染だったようだ。 国内の感染報告も全く存在しない状況だ。 　普通の利用では、パソコンにウィルスに感染しないと思って大丈夫だ。 フリーウェアは、窓の杜やベクターといった専門サイトからダウンロードすれば、ウィルスチェックされているものを入手することが出来るので、無菌状態を確保できる。 Warezなどで、あやしげなソフトウェアを入手し、動かすという「道ばたに落ちているおにぎりを食べる」ような行為をしなければ、おなかは壊さないものなのだ。 　Microsoft Officeで非常に発生しやすいマクロウィルスも、Officeのバージョンをあげておけばマクロ実行前にダイヤログが表示されるので、 ウィルスが勝手に発症することは少ない（Officeをインストールしないことが最大の防御策だとは思うが）。 　もちろん、NORTONやウィルスバスターといったワクチンプログラムをインストールして、 定期的にウィルス情報を更新する（通常、これは自動的に行われるようになっている）ようにすれば、ウィルスからパソコンを完全に防御することが可能だ。 　Win95/CIHは、日付をチェックして動き出すウィルスだったために、中にはパソコンのシステム時計を故意に狂わせ、発症を防ごうというところもあったようだが、 実はこれはやりすぎで、ウィルス以外のプログラムまで誤動作してしまい、業務に差し支えてしまう。 　最後に、プログラムを配布する企業担当者様へ。 最新のワクチンでチェックしてから公開してくださいね。 チェックせずに公開するなんて、何を考えているのでしょうか。 ○==緊急==ダウンロードコーナー上ファイルのウィルス感染のご報告とお詫び http://www.logitec.co.jp/new/v_setu.html ○トレンドマイクロ社 http://www.trendmicro.co.jp/ ○W95.CIH http://www.symantec.com/region/jp/sarcj/data/w/w95cih.html ○Win95/CIH・・・・・ハードウェアを破壊するウイルスの出現。 http://www.jcsa.or.jp/win95cih.html ○Win95/CIHウイルス情報、追加 http://www.jcsa.or.jp/win95cih2.html [紅屋鉄之助:tetsu@ninjin.net]
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